UNiTE

UNiTE. 15th Anniversary oneman live [U&U's -selection-]

2026.04.08

UNiTE. 15th Anniversary oneman live [U&U's -selection-]
2026年3月29日(日) LINE CUBE SHIBUYA

ユナイトというバンドに出会い、今、同じ場所にいられることが心から嬉しく、誇りにすら思えた。15周年、そして希(Vo)加入から3周年を迎えたこの日、純粋に胸に抱いた感情から『UNiTE. 15th Anniversary oneman live [U&U's -selection-]』のライヴレポートを始めたいと思う。

真っ白な新衣装に身を包み、1人ずつステージへと姿を現したメンバーの表情には、それぞれが抱えてきた思いが見て取れた。過去との対峙、自然と湧きあがる自信――その中で一つ確信したことは、ライヴ中のMCで希が迷いなく伝えた決意そのものだった。

「これまで、ユナイトがたくさんの“選択”をしてきたすべてを。この、ユナイトにとってたくさんの思い出が詰まった渋谷公会堂という場所で、“過去一のユナイト”をお届けに参りました」





この日のライヴは『starting over』から幕を開け、初披露の新曲『selection』で幕を閉じた。つまり、“終わらない”に始まり、“終わらない”で締めくくられたのだ。本公演のタイトルと、新曲に込められた“選択”というテーマは、かつて掲げた“終わらないバンド”という原点を想起させ、15周年のユナイトが導き出した答えを鮮明に打ち出してみせた。

積み重ねてきた“restart”と呼ぶべき転機が、この瞬間にすべて集約されるようなオープニングを飾った『starting over』。続く『ジュピタ』がアニバーサリーの空気を一気に高めると、希が“君に伝わるといいな”を強調して歌い上げ、椎名未緒がLiNとハクの見せ場へ視線を導くようにサインを送り、バンドが一丸となってアグレッシヴにシフトしていく。記念日を祝う声が“La La La”のシンガロングとなって爽やかに響いた『シトラス』も、晴れの日を彩る象徴となり、序盤から好調な滑り出しを見せた。

「新鮮な気持ちで楽しんでってちょうだい!」と初披露された新曲『ぼくらのカルチャー』では、ハクのベースが刻むスリリングな導入から、サビの広がりへの展開で演奏の妙が光る。LiNのソリッドなギターが印象的な『sheeple cirQus』では、羊ポーズで揺れるモッシュや“アルプス一万尺”の振り付けが遊び心を添え、「そろそろ硬さも取れてきたころじゃないの!?」と希が巧みにリードしてクラップを起こした『cogito天才の』。リズム隊セッションで流れを途切れさせることなく突入した『iScream』では、ギターのアンサンブルと高音を正確になぞる歌声に思わず耳を奪われた。演奏の随所に遊びを感じさせながらも、決して崩れない足並み揃えたバンドの呼吸の確かさが、高い音楽力をひしひしと感じさせる場面でもあった。






ライヴの中盤、まさに心臓部には、ホールという空間を最大限に活かしたユナイトの表現力を発揮するセクションを用意。まずは、紗幕に覆われたステージで始まった『ポロメオノワ』で、投影された歌詞の中に“イエロー”(希のメンバーカラー)というフレーズが浮かび上がるといった、ドラマチックさが際立った。やがてステージには希とLiNのみが残り、観客を着席させて特別なデュエットで響かせた『4:19 A.M.』。代わって登場した椎名未緒、ハク、莎奈がインストゥルメンタル『mystique』を初公開するというスペシャルな時間が続き、そこへLiNとカルテットを迎えてインストゥルメンタル『MiNOTA』がつないだのは、この日のハイライトだったといっても過言ではない『balloon flower』だった。生のストリングスとバンドサウンドが織りなす荘大感と、心身が震えあがる希の歌声がすべてを掌握していくユナイトの真価には、ただただ息を呑むしかなかった。『アイ -hope-』がカルテットとの融合によって披露されると、この曲に込められた“出会いの奇跡”という思いがダイナミックに伝わってくる。それは今回掲げられた“選択”というテーマ同様、ユナイトが楽曲を通じて我々に伝えてきた大切なメッセージであり、それらが深く結びつきながら最高の形で届けられる情景は実に圧巻だった。







そもそも、なぜこの渋谷公会堂という場所がユナイトにとって思い入れの強いものとなったのかを、ここで語られたメンバーそれぞれの言葉と共に振り返りたいと思う。2014年8月16日、当時の渋谷公会堂で加入した莎奈は、12年続けてこられたことと、自分の好きなこと(音楽)を認めてくれる人がいるという奇跡への感謝を語った。椎名未緒は、自身の経験上バンドが3年続くことの難しさを知っているからこそ、ユナイトの15周年と希加入からの3年に感慨を滲ませながら、「続けるって素敵だな。続けさせていただいて、ありがとうございます」と伝えた。ハクは「今が最高に幸せですと、胸を張って言えるので。過去に選んだ道、みんなと一緒に歩んできた道は間違いじゃなかったと確信しました」と、はっきりと手応えを掴んでいるようだった。LiNは、「楽しいですか? / 楽しい!」という短いコール&レスポンスで、多くを語らずともそれだけで満足といわんばかりの充実ぶりを感じさせていた。





後半戦へ向けてエンジンをかけたのが、シングル『selection』収録の中でもすでにライヴの火付け役となっている高速ナンバー『エウロパ』。その勢いを『[about us]』へ続けると、椎名未緒とLiNがギターソロのユニゾンを決めてグータッチを交わし、最後はメンバーカラー5色がステージを彩り、曲名通りにバンドの在り方を強く印象付けた。『灰色の心象へ胡乱の詩に軽い音』で一層熱をあげると、現体制で既存曲を初披露する“死者蘇生”として『失望エミュレイター』が投下されるサプライズにヘッドバンキングが巻き起こり、スクリームをかます希の猟奇的な一面も存在感を露わにしていた。その流れは『sheeple repliQo』を通し、キラーチューン『ice -153-』へ向けてますます加速。このように、聴かせるところとライヴ感満載なところが惜しみなく交差するのも、ユナイトらしいライヴといったところ。





こうしてクライマックスには、限りなく今の、さらには“これから”のユナイトが詰め込まれていた。希が「僕を変えてくれた人たちに向けて書いた曲です」紹介し、凛とした姿勢で放つ歌で包み込んだ『hananone.』。希にとって、“音楽はみんなに届ける言葉”と直前のMCで語っていたが、「いろんな気持ちを言えるようになった」と自分自身に起こった“変化”を、歌に生きる大義名分に乗せてまっすぐに解き放っていた。そして、『イオ』で増幅させたエネルギーを、メンバー間の温度感を感じられる『ファンタスティック』へと引き継ぎながら、この5人の原点である『花晨』へ。「僕たちの選択一つひとつが、僕たち、みんなの中に書き足されていきますように」と願いをかけた歌と音は、ユナイトが続いていることをバンドとファンとが互いに噛みしめる時間を作り上げたのだった。

「ユナイトはいろんな選択をして、今日を迎えました。いろんな選択があったけど、その選択一個一個がどこか違っていたら、俺たちはこうやって出会えていなかったかもしれない。だから俺たちは、あなたたち一人ひとりの、一つひとつの選択をメチャクチャ尊敬するし、尊重します。みんなの選択が間違っていなかったと、俺たちのこれからの音楽で証明していかないといけないと思ってます――“終わらない”という選択をした俺たちユナイトがあなたに贈る、『selection』」

希の言葉に導かれるように、ラストに届けられた新曲『selection』。カルテットを交え、限りなく人間が奏でる呼吸を伴う音や、メンバーの歌声が重なっていく一音一音がここに辿り着くまでの歩みをなぞっていく。さらに、“僕の目の前に君がいて 僕らは今ここに立っている”という『ファンファーレ』から蘇るように引用されたフレーズが響いたとたん、どこか置き忘れていた過去と現在が一つに結ばれたような気がして、自然とこみ上げてくるものがあった。



「これが僕たちの“選択”です。ずっと一緒にいたいです」(希)

これまで何度も立ち止まりそうになりながらも、懸命に新たなページを開き、進んできた。3年前、希の加入以降はバンドのストーリーを綴る筆は進み、スピード感を持ってページが開かれ続けている。この日の終演後にもさっそく、今度のアクションとして新たなワンマンツアーの発表と、3枚目となるベストアルバム『HOPES #3』リリースの発表もあった。バンドを続けられたことを“みんなのおかげ”と語るメンバーの言葉も大正解だが、その都度どんな道を選ぼうとも、正解へと導く力がなければ道は作られない。それを可能としたのは、ユナイトが持つポテンシャルであったことは言うまでもないだろう。音楽に生き、輝き続ける未来は、ユナイトに定められていた運命だったのかもしれない。そう感じさせてくれたのは他でもない、彼ら自身だったのだ。



文:平井綾子
写真:佐野和樹 / TomiKe

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<SET LIST>
1. starting over
2. ジュピタ
3. シトラス
4. ぼくらのカルチャー
5. sheeple cirQus
6. cogito天才の
7. iScream
8. ポロメオノワ
9. 4:19 A.M.(希、LiN)
10. mystique(椎名未緒、ハク、莎奈)
11. MiNOTA
12. balloon flower
13. アイ -hope-
14. エウロパ
15. [about us]
16. 灰色の心象へ胡乱の詩に軽い音
17. 失望エミュレイター
18. sheeple repliQo
19. ice -153-
20. hananone.
21. イオ
22. ファンタスティック
23. 花晨
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