「トモダチコレクティブ」特別対談 <ユナイト×カメレオ>
対談メンバー:椎名未緒、ハク、莎奈、Takashi、Kouichi、Takeshi
■「その時の印象は「なんだこの2次元キャラクター!」みたいな(笑)」(Takeshi)
――ユナイトとカメレオ、出会いのきっかけを教えてください。
Takeshi:俺は7年前かな。
椎名未緒(以下・未緒):duraluMin(Takeshiの所属していたバンド)の頃とか入れたら10年前とかだよ。
Takeshi:そんな昔の話はやめろやめろ~!
Takashi:Takeshiさんベテランじゃないですか~。
Kouichi:カル・ヴァリ(カメレオのメンバーが以前やっていたバンド)の時は?
Takeshi:それが7年前だね。
――最初の印象は?
Takeshi:一番最初に会ったのはハクちゃんですね。仙台MACANAのエレベーターの中で、俺、Kouichi、ハクちゃんがいて。その時はキャンゼル。その時の印象は「なんだこの2次元キャラクター!」みたいな(笑)。
ハク:そんなこと喋ったっけ?
Takeshi:勝手に思ってただけで喋ってないよ。当時からハクちゃんはキャンゼル(未緒・ハクが以前やっていたバンド)で人気あるバンドの人だったし。
ハク:へえ~。
Takeshi:覚えてない? 要するに、ハクちゃんにとって俺は眼中になかったということですね!
ハク:そんな……。
Takashi:まあ俺らコテンパンに負けとったよ? 数字から何から何まで負けとったよ? たしかKouichiも何かの曲が好きだって言ってたよね。
Kouichi:俺、当時キャンゼルの曲パクったもん。
Takeshi:そんな話はやめろ~!
未緒:当時Kouichiが俺らのことを好きだっていう話は聞いたことある。ていうか俺何故か連絡先知ってたもん。
Kouichi:そうだった!
未緒:「カル・ヴァリ Kouichi」ってアドレス帳に入ってたもん。……でも多分1回も連絡したことがない。なんか「俺好きなんっすよ~」って言われて、そりゃあ悪い気しないじゃん(笑)。
Takashi:でも好きだったよな、普通にCD聴いとったもんな。
ハク:俺が覚えてるのは、高田馬場AREAの袖からカル・ヴァリのライブ見てたことかな。たしか7年前くらい。普段対バンするバンドでああいう雰囲気のあるバンドがいなくて、かっこいいなあって思って観てた。
Kouichi:当時は今とは違うジャジーなバンドをやってたので。
未緒:俺もそんな感じで好意的に見ていた。
■「やられた感すごかったね。」(Takashi)
――出会い自体ははかなり昔に遡るわけですが、その頃は同じレーベルに所属するとは夢にも……。
一同:ぜんぜん想像してない。
Kouichi:ユナイトが活動開始した頃ってカメレオは活動開始前の準備期間の年で、めっちゃアルバイトしてたんですよ。
Takashi:してたなあ~。
Takeshi:掛け持ちして朝8時から23時半まで働いてたね。
Kouichi:だから羨ましかったっす。僕たちはバンドをやれてないから。
Takashi:なんか焦ってたよな。
Takeshi:当時ユナイトって雑誌にバーンって出た時点で華があって。うわ~なんか本物感ある~! オーラすごい~! みたいな。
未緒:その頃は「正直ユナイトを敵視していた」って言ってたよね。「デンジャー・クルー超入りたかったから」って。
Kouichi:忘れもしない!
Takeshi:「先に5人編成で入ってるバンドがいるよ!」って。
――言われてみたら、たしかにデンジャー・クルーの諸先輩方は4人編成ですね。
未緒:当時ツインギターのバンドが入ること自体が異例だったみたいです。
Kouichi:僕らまだバンドを動かしてもいない時期だったんですよね。たしか夏だったと記憶してるんですけど、ボーカルレコーディングに立ち会っていたときに携帯いじってたら「ユナイトがデンジャー・クルーに所属を発表!」みたいなニュースを見たんです。僕らとしては当時から「入るならデンジャー・クルー」みたいなところはあったので、「先にやられた~!」みたいな。
Takashi:やられた感すごかったね。
Kouichi:そういう、なんていうんだろう、ユナイトを見上げてた感じかな。自分たちのバンドが始まる前は「いいな~」って思っていて、それがいつしかネジ曲がって敵視になってしまった。
Takashi:「俺らが入りたかったのに!」みたいな歪んだ感情が……。
――では、ユナイト的には、カメレオをどう見ていましたか?
未緒:めっちゃ嫌いでした。
――ギスギスじゃないですか! この対談果たして掲載できるんでしょうか。
未緒:カメレオがどうこうといよりも、色々環境が変わってそれでモヤモヤしてました。
Takeshi:最初の「華麗なる激情(2012年~2013年に開催されたデンジャー・クルー主催のイベント。ファン投票上位のバンドが勝ち上がるシステム)」とかすごかったもん。
ハク:この流れだと莎奈さんの登場はまだ先だね。
莎奈:でも初めてカメレオさんと会ったのは「華麗なる激情」ですね。
僕はまだ前のバンド(EVE)にいたんですけど。
Kouichi:そうだった。
莎奈:その時俺、前のバンドでユナイトの『Eniver』のカバーをやったんですよ。それでリハでやるじゃないですか。それを聴いていたのかカメレオさんが話しかけてくださって。当時の俺からしたら「東京のバンドや!」って感じで(笑)。たしか「本家より上手だね」みたいなことを言われ……。
Takeshi:やめろ~!
莎奈:俺が直接言われたわけじゃないんで、誰から言われたのか覚えてないんですよ。
Takashi:「本家より」なんて言っちゃうのはKouichiあたりじゃないの。
Kouichi:俺じゃない(笑)。
Takeshi:よう言うわ俺ら、生意気やな(笑)。
莎奈:当時、俺はとにかくビビってました。
未緒:まあその頃は(カメレオとユナイトは)まだ仲悪かったよね。
Takeshi:だってヘアメイク中のハクちゃんに声かけても一切目を合わせてくれなかった。
ハク:そんなことない!
Takashi:ハクさんは普通だったよ。
莎奈:じゃあ誰が普通じゃないんですか?
Takeshi:リーダーでしょう。
Takashi:リーダー同士が……。
Kouichi・未緒:……。
未緒:俺は明確に拒絶したタイミングが2回ありました。Takeshiくんに「ツイッターフォローしてくれたらなあ」って話しかけられたときと、Takashiくんから「一緒に写メ撮りましょうよ」って言われたときに、「いやだ」って。
Takashi:あんなこと初めて言われましたよ!
――完全に敵意じゃないですか。
未緒:だってみんな若手の時期だったから馴れ合いが嫌だったのと、イベントの趣旨的に殺し合いみたいな雰囲気だったから(笑)。
■「カメレオいると安心感あるよね」(未緒)
――そこから仲良くなった経緯を聞かせてください。
未緒:カメレオ主催に誘われたことですね。第三者主体じゃないイベントに、Kouichiくんから「仲いい人を集めたいんだよね」って誘われて。
Kouichi:でも最初断られたんですよ。
未緒:「だって仲良くないし」って。
――正直ですね。
Kouichi:じゃあ仲良くなればいいのかなと思い。未緒ちゃんに「2人で焼肉でも行こうよ」って誘ったんです。それで事務所の人に「美味しい焼肉教えてください」って聞いて。そしたらその焼肉屋があんまり美味しくなくてですね……。
莎奈:それってKouichiさんが「未緒さんと仲良くなれて嬉しい」って泣いたヤツですか。
未緒:たしか2軒目で泣いてた。
Kouichi:「やった~!」みたいな
Takeshi:絶対ムリだって思ってた城壁を登れたからじゃないですか「やった~~~!」みたいな。
莎奈:最初その話聞いて「えっ(未緒さんが)泣かしたの?」みたいな。
Takashi:暴力とかそういうんじゃない(笑)。
Kouichi:お互い表面的に見ていたところがあって。ご飯食べに行って、内側の話をしていって。
未緒:それで、Kouichiくんと飲みに行って「こいつもこういうこと考えてるんだな」とわかって、歩み寄れて、今度はTakeshiくんとKouichiくんとで3人で飲みに行ったときに、こいつ(Takeshi)やべえなと。色々苦労してるんだ、闇抱えてる部分があるんだなと思って、それでカメレオ主催に「なんの力にもなれないけど」って出るという話になり、オフィシャルで仲いい感じに収まったのかな。
――本当に紆余曲折ありましたね。そして今回ユナイト主催にカメレオが出るということで。カメレオを主催に呼ぶのは初めてですよね。
未緒:そもそも主催イベントをあまりやっていなかったんですよ。結成後にちょこちょこやっていたけど、基本的に友達がいなさすぎて……。
一同:(笑)
未緒:仲いいバンドと2マンとかはいいんだけど、間口広げると寂しくなるから……。傷つくだけだから主催はやめようと。
――それが今回なぜ主催をする方向に?
未緒:最初はワンマンツアーだったんです。それをLiNくんが最初「主催とかどうなんですかねえ」って言い出して。じゃあせっかく久しぶりに主催やるのであれば、楽しくまわりたいよね、みたいな。集まったら主催にしよう、そうじゃなければワンマンにという話になって、ひとまずカメレオに声をかけたら、Kouichiくんから電話が来て。
Kouichi:ユナイトにはカメレオの3周年主催に出てもらったし、恩返しじゃないですけど。
未緒:なんか嬉しかったですね。Kouichiくんから「出られるかわからないけど、出るつもりでいる」って言われて。「いいヤツ~」って思いながら。
Kouichi:タイミングもありましたね。今デンジャー・クルーの若手はカメレオとユナイトしかいないじゃないですか。力を合わせるじゃないですけど、好き嫌いがどうのこうのって時期は終わったんでしょうね。
未緒:こないだもイベントで一緒に出たけど、カメレオいると安心感あるよね。
莎奈:それはユナイトメンバー全員が言ってましたね。
――そして心の距離が縮まったところで、主催ツアーが始まるわけですが。
未緒:なんかやれたらいいなとは思ってますけど、まだ未定ですね。でも大阪は莎奈くんのバースデーで、名古屋は結さんのバースデーライブなので、きっとカメレオは大仰な祝い方してくれるんだろうなあ~。
Takeshi:カメレオはそういう存在になりつつあるんですけど。ただ莎奈くんと結くんを祝うとは限らない……。
莎奈:カメレオが普通のことをするわけがない! でもなんかやりたいなとは思います。とくに大阪は僕の誕生日なんで。
ハク:胴上げ?
莎奈:それはお客さんが見てて面白いのかな? 無音だよ?
Kouichi:俺らバックバンドやりますよ
莎奈:僕も入って6人で歌って踊るのは?
Kouichi:全然OK。
――濃いイベントになりそうですね。最後に何か一言お願いします。
Takeshi:カメレオはいろんなことをやっているせいか「バンドのくせに踊ったり」とか言われたりもするんですけど、その中でも「ユナイトと一緒にやってほしい」という声はあって。DIVも含めてデンジャーフェスからもう一度みんな一緒にやることができなかったんですけど、その分ユナイトのイベントで楽しい時間をお客さんに提供できるように頑張ります。
Takashi:せっかくユナイトとカメレオが一緒にツアーをまわれるということで、セッションというか、その日だけしか見れないもの、この出演バンドだからこそ見れるものを見せたいですね。皆が楽しめるものをお互いに作れたらいいと思います。
Kouichi:今回のユナイト主催が終わったあとに、「カメレオ呼んでよかった、正解だった」とユナイトメンバー全員から思われるような、カメレオらしい感じでやれたらなと思っているんで、お祝い芸人的なテンションでいきたいと思います。
Takeshi:付け加えるとするなら「ハナゲー」とかふざけたことをやると思うんで、U’sの皆様も協力していただけたらなと。
――ユナイト側からもお願いします。
ハク:これまでは共演するときも「バトル」みたいな形式が多かったんですけど、今回はお祝いをしてくれるということになって、とにかく楽しくやれたらいいな。あとはユナイトはあんまり友達いないんで、これからも末永く仲良くできたらと思います。
莎奈:主催に出ていただいて、本当に嬉しいんですけど、この主催ツアーが終わっても、対決というよりは、お互いがお互いを面白く思える距離感でやっていけたらと思うし。このツアーもカメレオに良い意味でメチャクチャにしてほしいです。
未緒:ユナイトの精神性って俺の影響が色濃く出ちゃってるんで、閉鎖的なところは俺によるところが大きいんだけど。
Kouichi:完全なる病原体ですね!
Takeshi:こら! おやめなさい!
未緒:俺は同じフィールドでやってる人たちとは、共に幸せになることはできないってずっと思ってきたんです。蹴落とさなきゃいけないというか、誰かが勝ち上がれば、その下に必ず誰かがいることになる。とくにユナイトをやる前の自主時代に勝ち上がれなかったコンプレックスから、ユナイトでは誰とも馴れ合わないというスタンスだったんです。
だから閉鎖的なところがあったんですけど、初めてKouichiくんと飲みに行ったときに「頼むから解散しないでくれ」って言われて。俺は基本的に周りの人たちはライバルだから解散してほしかったんです。けどバンドを長く続けていくと、自分自身でも丸くなったというか、色々感じる部分もあって、「俺もカメレオに解散してほしくないな」と思ったというか。
そこで色々考えていったときに、カメレオから自分の精神性に影響を受けた部分もあったことに気づいて。このツアーは「とる/とられる」とかじゃなくて、楽しくまわれるツアーになりそうなのが嬉しいです。